「雑誌と私」Vol.166

 
 

 

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2週間の東京滞在を終え、3日前にイタリアに戻った。
夏の日差しが眩しくなっている。
21:00になっても、明るさがほんのりと残るこの時期、
海辺はとても美しい。
 
昨日は、自転車に乗って隣の港町まで海沿いを楽しんだ。
時折、左手に夏の日差しで枯れかけた草が生い茂る。
そして、その向こうに海岸が、
ゆったりと波を育んでいる風景が目に飛び込む。
しばらく行くと、小さなコテージが見えてくる。
この土地の人達に愛されているトラットリア(食堂)だ。
オリーブオイルに少しだけ焦がされたあのニンニクの香りと、
それに絡まる魚介類の料理の匂い。
この20年間、私も虜になったあの定番料理が、
このお店の名物となっている。
 
この年齢になると、しばしば「ライフスタイル」ということを
気に掛けるようになった。
マジョーレのコレクションをスタイリングする時も、
ライフスタイル全体を取り囲むようなアイテムを、
より意識しながら作るようになっている。 
 
最新のトレンドを追いかけるわけでもなく、
かと言って、全く変化しないスタイルでもない。
ゆっくりと毎日の生活を大切にしながら、
少しずつ「ここは変わっても良いな…。」と思えるような慎重さで、
作り上げられるスタイルだ。
イタリア人はこのスピード感を、とても大切にしていると思う。
 
この港町もゆっくりと何かが変わっているのに、
大切な部分はいつもそのままで、
そこがあるから、何だか素敵な雰囲気を
ライフスタイル全体で醸し出しているのだと思う。
決して豪奢な作りでもない、
如何にもと言った格好つけたスタッフがいるわけでもない、
このトラットリアで、目の前に広がる海を眺めながら、
美味しい魚介のフリットと白ワインを楽しむとき、
「やっぱり素敵。」「やっぱり格好いい。」と、
私は思ってしまう。
 
こんな瞬間を大切にする時に、
気分よく着られるスタイルを、
これからもマジョーレは目指していきたい。 

 
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吉田孔美              

 

 


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